研究室の歩み(2015年9月〜2020年3月)

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2015年度

    名古屋大学 情報基盤センター 教育情報メディア部門 教授として,戸田が9月に着任した.大学院情報科学研究科 メディア科学専攻 情報メディア空間構成論講座と工学部 電気電子・情報工学科 情報工学コースの担当を開始し,戸田研究室の立ち上げに着手した.大学院情報科学研究科 メディア科学専攻 音響・行動信号処理研究室(武田一哉教授主宰)と共同で研究を開始し,特に,音メディア情報処理に関連する研究グループの研究指導に尽力した.着任前に勤めていた奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科では,客員教授として,知能コミュニケーション研究室(中村哲教授主宰)の指導学生の研究指導に引き続き取り組んだ.指導学生の一人である博士後期課程3年高道慎之介くんが博士号を取得し,東京大学 大学院情報理工学系研究科 特任助教の職に就いた.
    声質変換技術に関する国際評価会として,国立情報学研究所 山岸順一博士らと協力してVoice Conversion Challenge 2016を開催した.奈良先端科学技術大学院大学と協力し,指導学生の一人である博士後期課程2年小林和弘くんが中心となってNU-NAIST声質変換システムを構築した.
    年明けに研究室紹介を実施したところ,幸いなことに,やる気に満ちた3名の学部3年生が,3月に戸田研究室に加わった.これにより,本格的に研究室の運営を開始した.情報工学コースや武田研究室の援助を受け,研究環境の整備に取り組んだ.
    戸田は,大学教授の仕事を学び業務に慣れることに四苦八苦した.世の中の大学教授のすごさを目の当たりにした7ヶ月間であった.

2016年度

    4月に1名,10月にもう1名,奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科の博士前期課程を修了した学生が,博士後期課程学生として,戸田研究室に加わった.8月には,1名の技術補佐員が戸田研究室に加わった.引き続き,武田研究室と共同でゼミや輪講,研究グループミーティングを実施しつつ,戸田研究室独自の活動(研究室ミーティング,研究室輪講,研究室合宿)も開始した.3名の学部4年生は,卒業研究に取り組み,各自,卒業論文を書き上げた.奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科の客員教授として,知能コミュニケーション研究室(中村哲教授主宰)の学生の研究指導に引き続き携わり,指導学生である博士後期課程3年小林和弘くんと田中宏くんが博士号を取得した.小林和弘くんは,日本学術振興会特別研究員―PDとして,名古屋大学情報基盤センターに加わった.田中宏くんは,NTTコミュニケーション科学基礎研究所の特別研究員の職に就いた.
    12月からJSTさきがけの研究プロジェクトとして,共創型音声生成機能拡張に関する研究を開始した.声質変換技術に関する国際評価会Voice Conversion Challenge 2016の報告として,国際会議INTERSPEECHの特別セッションを実施した.奈良先端科学技術大学院大学と協力し,小林和弘くんが中心となり開発したNU-NAIST声質変換システムは,参加17チーム中,極めて高い評価を得た.奈良先端科学技術大学院大学の客員教授として実施したクリムゾンテクノロジー株式会社との共同研究を経て,リアルタイム高品質ボイスチェンジャー「リアチェンボイス」を開発した.武田研究室博士後期課程1年の林知樹くんが,米国MERLの研究者と共同で音イベント検出システムを構築し,国際的なチャレンジDCASE2017にて高い評価を得た.また,情報連携統括本部戦略的経費の支援を受けて,サーバ型紙レポート・LMS連携システムの開発を開始した.
    研究室メンバーが徐々に増え,研究を立ち上げることができた.8月には,第20回東海地区音声関連研究室修士論文中間発表会を名古屋大学にて開催し,武田研究室と合同で運営に携わった.9月には,南知多にて研究室合宿も実施した.3月には,幸いなことに,やる気に満ちた2名の学部3年生が,戸田研究室に加わった.
    戸田は,徐々に大学教授の仕事や業務を把握し始めた.秘書のありがたみを心底理解し,深く深く感謝した1年であった.

2017年度

    改組により,4月から,大学院情報学研究科 知能システム学専攻 基盤知能情報学講座と情報学部 コンピュータ科学科の担当を開始した.4月に,小林和弘博士がポスドクとして戸田研究室に加わった.また,1名の博士後期課程学生が戸田研究室に加わり,3名の学生が博士前期課程に進学した.さらに,4月からの2,3ヶ月間,Academia Senica(台湾)の研究員2名が,大学院研究生として戸田研究室に滞在した.その内1名は,10月から博士後期課程学生として戸田研究室に加わった.また,NUPACE留学生1名の受け入れを受諾した.12月には,1名の事務補佐員が戸田研究室に加わり,研究室の支援体制が強化された.1月からは,Western Sydney University(オーストラリア)のFarzaneh Ahmadi博士が,招へい教員として,戸田研究室での滞在を開始した.引き続き,武田研究室との共同活動,ならびに,戸田研究室独自の活動を継続した.2名の学部4年生は,卒業研究に取り組み,各自,卒業論文を書き上げた.
    科研費基盤Bの研究プロジェクトとして,空気/体内伝導音声情報処理の研究を開始した.声質変換技術に関する国際評価会として,Voice Conversion Challenge 2018を開催した.博士後期課程学生を中心に研究開発チームを結成し,NU声質変換システムを構築した.ポスドクの小林和弘博士が開発した声質変換フリーソフトウェア sprocket が公開され,Voice Conversion Challenge 2018 のベースラインシステムとして採用された.その他の活動として,6月には,戸田が,Carnegie Mellon University(米国)のGraham Neubig博士とともに,音響学会の技術講習会「系列データモデリングの基礎と最近のトピックス」を開催した.情報連携統括本部戦略的経費の支援を受けて,4月からサーバ型紙レポート・LMS連携システム「かみレポ」の試験運用を開始し,10月から全学運用を開始した.国際ワークショップIEEE MLSPでは,武田研究室博士後期課程1年の関翔悟くんの研究が高く評価され,学生賞最終候補者に選出された.博士後期課程2年Patrick Lumban Tobingくんが,NEC C&C財団 2018年度外国人研究員助成受給者に採用された.
    研究室メンバーの増加に伴い,研究力が増した.特に,博士後期課程メンバーおよびポスドクメンバーの活躍により,日頃の研究活動が活性化した.第1期生(M1学生)の研究成果も,一部対外発表できるまでに至った.9月には,下呂にて研究室合宿も実施した.3月には,幸いなことに,やる気に満ちた3名の学部3年生が,戸田研究室に加わった.
    戸田は,大学教授の仕事や業務に懸命に取り組んだ.研究室運営の大変さを痛感しつつ,ポスドクおよび秘書の献身的な活動に,ただただ深く感謝した1年であった.

2018年度

    4月に,NTTメディアインテリジェンス研究所の研究員1名が博士後期課程学生として戸田研究室に加わり,2名の学生が博士前期課程に進学した.7月からの2ヶ月間,筑波大学の博士後期課程学生1名が特別研究学生として戸田研究室に滞在した.さらに,10月からの3ヶ月間,Academia Sinica(台湾)の研究員1名が,研究生として戸田研究室に滞在した.Western Sydney University(オーストラリア)のFarzaneh Ahmadi博士は,5月に一旦帰国した後に,8月から12月までの4カ月間,再び招へい教員として戸田研究室に滞在した.引き続き,武田研究室との共同活動,ならびに,戸田研究室独自の活動を継続した.武田研究室博士後期課程3年の林知樹くんが博士号を取得した.林知樹くんは自身が取締役を務める株式会社Human Dataware Lab.に加わった.1名の博士前期課程2年生が修士論文を書き上げた.3名の学部4年生が卒業論文を書き上げた.また,ポスドクの小林和弘博士は,大学発ベンチャー企業「TARVO」を起業した.
    国際ワークショップOdysseyにて,声質変換技術に関する国際評価会Voice Conversion Challenge 2018の結果が報告された.博士後期課程学生を中心に開発したNU声質変換システムは,参加22チーム中,極めて高い評価を得た.また,ポスドクの小林和弘博士が開発した声質変換フリーソフトウェア sprocket も,ベースラインシステムとして,極めて高い評価を得た.その他の活動として,5月には,博士後期課程2年Patrick Lumban Tobingくんと博士後期課程1年YiChiao Wuくんが,英国ロンドンで開催されたGoogle's 3rd Speech Technology Summitに招待され,各自の研究について発表を行った.7月には,戸田が,ギリシャのクレタ大学にて開催された国際サマースクールSPCCにて,音声変換技術に関する講義と演習を担当した.8月には,戸田が,JSTフェアにて,自身のJSTさきがけの研究プロジェクトの研究内容について展示を行った.12月には,戸田が,オーガナイザの1人として,国際ワークショップIEEE SLTにて深層学習に基づく音声合成に関する特別セッションを開催した.1月には,戸田が,ドイツで開催されたDagstuhl Seminarに招待され,歌唱機能拡張に関する研究について発表を行った.また,情報連携統括本部戦略的経費の支援を受けて,サーバ型紙レポート・LMS連携システム「かみレポ」の開発を継続するとともに,新たに動画配信プレイヤーの改良にも着手した.西シドニー大学のFarzaneh Ahmadi博士が,日本学術振興会外国人研究者招へい事業の平成31年度外国人招へい研究者(長期)に採用された.
    研究室メンバーも増え,3年目にして全学年の学生が揃った.学外からの訪問研究者やインターン学生も増え始め,日頃の研究活動がより一層活性化した.4月の情報学研究科知能システム学専攻M2中間発表会では,博士前期課程2年森川一穂くんが「学生が選んだ優秀賞」と「教員が選んだ優秀賞」を受賞した.9月には,由布院にて研究室合宿を実施した.10月には,DSP in vehicles 2018が名古屋大学にて開催され,戸田教授はProgram Chairとして運営に携わった.3月には,幸いなことに,やる気に満ちた2名の学部3年生が,戸田研究室に加わった.
    戸田は,秘書をはじめ多くの方々に支えられながら,大学教授の仕事や業務ならびに研究室運営に取り組んだ.色々な課題が浮き彫りとなった1年であった.

2019年度

    4月に,4名の学生が博士前期課程に進学した.5月から2月までの9ヶ月間,Western Sydney University(オーストラリア)のFarzaneh Ahmadi博士が,日本学術振興会海外招へい研究員として戸田研究室に滞在した.また,10月からの3ヶ月間,北京航空航天大学の博士後期課程学生1名が特別研究学生として戸田研究室に滞在した.さらに,10月からの6ヶ月間,博士前期課程入学予定者1名が研究生として戸田研究室に滞在した.11月には補佐員1名が退職したが,2月に新たに補佐員1名が加わった.引き続き,武田研究室との共同活動,ならびに,戸田研究室独自の活動を継続した.博士後期課程3年のPatrick Lumban Tobingくんが博士号を取得し,情報基盤センター研究員の職に就いた.また,武田研究室博士後期課程3年の関翔悟くんが博士号を取得し,NTTコミュニケーション科学基礎研究所の特別研究員の職に就いた.4名の博士前期課程2年生が修士論文を書き上げ,2名の学部4年生が卒業論文を書き上げた.
    10月からJST CRESTの研究プロジェクト(代表:戸田)として,首都大学東京の小野順貴教授とNTTコミュニケーション科学基礎研究所の亀岡弘和博士とともに,共創型音メディア機能拡張に関する研究を開始した.4月から科研費若手の研究プロジェクト(代表:小林和弘博士)として,低遅延音声変換に関する研究を開始した.声質変換技術に関する国際評価会として,Voice Conversion Challenge 2020を開催した.その他の活動としては,7月には,戸田が,ギリシャのクレタ大学にて開催された国際サマースクールSPCCにて,前年度に引き続き,音声変換技術に関する講義と演習を担当した.8月には,戸田と小林和弘博士(ポスドク)と林知樹博士(武田研研究員)の3名で,国際会議INTERSPEECHにおいて,音声変換技術に関するチュートリアルを行った.戸田は,APSIPA Distinguished Lecturerに選出され,10月にカーネギーメロン大学(アメリカ),12月には国立シンガポール大学(シンガポール)にてDL講演を行った.また,戸田は,2016年12月から実施してきたJST さきがけの研究プロジェクトの研究成果をはじめとして,研究室の研究成果に関して,各種シンポジウムや講演会などの場で,10件以上の招待講演・技術講演を実施した.前年度に引き続き,情報連携統括本部戦略的経費の支援を受けて,サーバ型紙レポート・LMS連携システム「かみレポ」の開発を継続するとともに,教材N次創作支援システムNUTubeの研究開発に着手した.
    研究室メンバーが20名程度となり,初の博士号取得者も輩出した.学外からの訪問研究者やインターン学生も増え始め,日頃の研究活動がより一層活性化した.9月には,箱根にて研究室合宿を実施した.博士後期課程3年YiChiao Wuくんが,NEC C&C財団 2020年度外国人研究員助成受給者に採用された.博士前期課程1年WenChin Huangくんが,JEES・ドコモ留学生奨学金受給者に採用された.また,YiChiao WuくんとWenChin Huangくんは,INTERSPEECH 2019 Travel Grant受給者に採用された.3月には,幸いなことに,やる気に満ちた2名の学部3年生が,戸田研究室に加わった.
    戸田は,業務ならびに研究室運営に取り組みつつ,最終年度となるJSTさきがけの研究に邁進していたが,2月最終週からは,新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で教育研究の歩みが止まらないように,情報基盤センター教育情報メディア研究部門の業務に全身全霊をかけて取り組んだ.全学業務の重要さおよび大変さを痛感しながら,名古屋大学の組織運営の素晴らしさ,ならびに,情報連携統括本部という組織の素晴らしさを大いに実感し,全学システムを支える方々に深く深く感謝した1年であった.
#一方で,学外の仕事は一気に崩壊してしまった・・・すみません・・・.

2020年度

    4月に,東京都立大学小野研究室の若林佑幸特任助教が非常勤研究員として戸田研究室に加わった.1名の学生が博士後期課程に入学し,3名の学生が博士前期課程に進学/入学した.また,技術補佐員1名が加わり,研究支援体制が強化された.10月には,2名の学生が博士後期課程に入学し,1名の大学院研究生が戸田研究室に加わった.新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により,研究室活動は全てオンラインで実施した.10月には,博士後期課程3年のYi-Chiao Wuくんが情報基盤センター研究員の職に就き,3月に博士号を取得した.4名の博士前期課程2年生が修士論文を書き上げ,2名の学部4年生が卒業論文を書き上げた.
    8月からNEDOの研究プロジェクト(代表:産総研)として,産総研AIRC緒方淳チーム長,早稲田大小川哲司教授,静岡大西村雅史教授,西田昌史准教授とともに,汎用音響信号処理モデルに関する研究を開始した.声質変換技術に関する国際評価会として,Voice Conversion Challenge 2020を実施し,博士前期課程2年のWen-Chin Huangくんと戸田はオーガナイザを務めた.また,Wen-Chin Huangくんと林知樹博士(HDL)が中心となって系列変換に基づくベースラインシステムを,Patrick Lumban Tobing博士とYiChiao Wuくんが中心となってフレームベース変換に基づくベースラインシステムを構築して公開した.さらに,小林和弘博士も加わって,各ベースラインシステムを改良した名大システムも構築した.これらの研究成果について,Wen-Chin Huangくんと戸田がオーガナイザを務めた国際ワークショップJoint workshop for BC & VCC 2020にて発表した.また,音環境情報処理に関する国際チャレンジDCASE 2020の音響イベント検出タスクにおいては,武田(一)研博士後期課程3年の宮崎亮一くんが,LINE,HDL,ジョンズ・ホプキンス大と共同でシステムを構築し,参加21チーム中,第1位の性能を達成した.その他の活動として,戸田は,9月に台湾で開催されたROCLING 2020での基調講演,1月にオンライン開催された国際ワークショップIEEE SLT 2021での招待講演,2月にオンライン開催された音声言語情報処理研究会での招待講演を行った.また,戸田は,9月に開催された電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会にて,オンライン授業支援に関する特別セッションを企画した.さらに,東海国立大学機構アカデミック・セントラルに関連した調達業務として,N次教材創作・配信支援システムNUTubeの導入に取り組んだ.
    研究室メンバーが増え,30名近くからなる研究グループとなり,研究活動がより一層活性化した.8月には,第24回東海地区音声関連研究室修士論文中間発表会をオンライン開催し,武田(一)研究室と合同で運営に携わった.また,8月の情報学研究科知能システム学専攻M2中間発表会では,博士前期課程2年安原和輝くんが「学生が選ぶ最優秀発表賞」を受賞し,武田一研究室博士前期課程2年彦坂秀くんが「学生が選ぶ優秀発表賞」を受賞した.博士前期課程2年WenChin Huangくんは,日本学術振興会特別研究員―DC1に内定した.3月には,幸いなことに,やる気に満ちた4名の学部3年生が,戸田研究室に加わった.COVID-19の影響を考慮して,例年実施している研究室合宿などの研究室活動は,残念ながら全て見送った(一方で,戸田の財政負担は大幅に軽減された).
    戸田は,研究室運営および各種研究プロジェクト遂行に取り組みつつ,全学オンライン授業支援をはじめとする業務に邁進し,情報インフラに関する全学業務の重要さ,大変さ,責任の重さを痛感した.一方で,COVID-19の影響により,日々の生活スタイルは大きく変化し,国内も含めて一切出張はなくなり,運動を行う習慣が定着した.変化は大きなチャンスであると実感した1年であった.